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Mozilla ブラウザを使いこなすための基本的設定

Salvador J. Peralta

             speralta at willamette dot edu
         

Noriko CURTIS - 日本語訳

norikoscurtis@yahoo.co.jp

January 2003

Revision History                                                       
Revision 1.0           2003-01-03          Revised by: SJP             
Initial release, reviewed by LDP                                       

この文書では、Linux や X Window 上で Mozilla をメインの Web ブラウザと
してより有効に使えるよう、Mozilla の設定およびソースレベルでのカスタマ
イズ方法を解説していきます。なおこの文書では、Mozilla をプログラムする
方法や XUL のガイドといった内容は扱っていません。

この文書で紹介するテクニックは、XFree86 搭載の Redhat マシンで構成され
る、シンクライアント( thin client )上におけるキオスク端末のような公共的
システムで実施、テストされています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

Table of Contents
1. 著作権について
2. はじめに
3. ソースの入手
4. パッチの適用
5. ソースのカスタマイズ
6. ソースのコンパイル
7. インストール後の設定
8. 日本語版謝辞

1. 著作権について

 著作権 (C) 2002 Salvador Peralta

 著作権に関する情報は以下に、原文をそのまま記述します。 Permission is
granted to copy, distribute and/or modify this document under the terms
of the GNU Free Documentation License, Version 1.2 or any later version
published by the Free Software Foundation; with no Invariant Sections,
no Front-Cover Texts, and no Back-Cover Texts. A copy of the license
can be found at the GNU web site 
.

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

2. はじめに

 Mozilla は、オープンソース方式で開発環境が公開されており、各種のオペレ
ーティングシステム上で使用できる、GUIベースの Webブラウザです。Mozilla
の安定性、頑健な機能、大規模な開発コミュニティ、そして設定が簡単なこと
から、Linux のデスクトップ上で急速に重要なコンポーネントとなっています
。この文書では、Mozilla の動作を Linux のデスクトップ環境で最大限活用で
きるよう、ソースのパッチ、設定の方法を紹介していきます。また、Mozilla
のコンパイルや設定方法などの普通のマニュアルとしてもお使いいただけます
。

 この Mini HOWTO の最新版は HTML 形式で www.willamette.edu/~speralta/
tldp/mozilla  から入
手できます。

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3. ソースの入手

 Mozilla のソースからのコンパイル、構築という方法にはメリットもあればデ
メリットもあります。最大のデメリットは、ソースコードのサイズです--圧縮
されたソースコードは大概のリリース版で 30 MB以上あり、バイナリパッケー
ジのおよそ3倍ものサイズです。第二のデメリットは、コンパイルにかなり時間
がかかるという点です--著者の使用する比較的新しいマシン(256 MB、1.6 GHz
動作のペンティアム4)上で Mozilla をコンパイルしたところ、他のタスクを
実行しているか否かでかかる時間は異なりますが、1時間半から4時間もかかり
ました。古いマシンですと24時間かそれ以上もかかります。一方で最大のメリ
ットは、コンパイル実行時に選択できるオプションやパッチが数多くあり、こ
れらのおかげで Mozilla の性能および機能性をかなり向上することができると
いう点です。したがって、Mozilla を実際の業務上で実行する場合、コンパイ
ル実行時に選択できるパッチを実行することは必須です。

 Mozilla をソースレベルから改造することに興味のない方は、インストール後
の設定 Section 7 へ進んでください。

 本稿執筆時点での最新版 Mozilla ソースコードは 1.2.1 で、次の ftp サイ
トから入手できます:ftp.mozilla.org/pub/mozilla/releases/mozilla1.2.1
。最新版以外の
安定版(stable release)は 1.0.1 で、次の ftp サイトから入手できます:
ftp.mozilla.org/pub/mozilla/releases/mozilla1.0.1 。

 CVS チェックアウトに関しては Mozilla  のドキュメン
トを参照してください。

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4. パッチの適用

 パッチのされていない Mozilla は X Window 上で満足のいく動作をしている
とは言えません。たとえば、Mozilla ウインドウの X 、Y 座標をコマンドから
指定できないといった点は、一般的な Linux ユーザにとってはたいした問題で
はありませんが、業務用や公共施設での使用の場合、大きな問題です。この問
題を解決するには、次の C++ソースコードにパッチを適応します。 embedding/
components/windowwatcher/src/nsWindowWatcher.cpp まず第一に、Robert
Riches 氏によるパッチ  を入手し実行してください。このパッチは Mozilla 1.0
から 1. 2.1 版まで動作確認済みです。

 そして、そのファイルの "+" 印のついているコードを Mozilla ソースツリー
の embedding/components/windowwatcher/src/nsWindowWatcher.cpp にコピー
します。nsWindowWatcher.cpp にコピーされた "+" マークを削除し、そのCPP
ファイルを保存します。

 その修正パッチの機能を実際に見るために、環境変数 MOZILLA_SCREEN_POS を
適切な座標に設定します。たとえば Bash シェルを使っていて、Web ブラウザ
ウインドウの左上座標を画面の左上コーナーに合わせたい場合、次のコマンド
を入力します。export MOZILLA_SCREEN_POS='screenx=1,screeny=1'

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5. ソースのカスタマイズ

 さらに Mozilla Web ブラウザの問題点をあげるなら、定期的に、あるいは新
しいバージョンの配布ごとにユーザが設定したホームページをリセットしてし
まうことです。

 この設定データは、設定ファイル(configuration file)に保存されているの
で、このファイルを編集し、デフォルトのホームページを設定し直すのが一番
安全で簡単な直し方です。

 都合よく、コンパイル実行時に使用する設定ファイルのほとんどは 
.properties というファイルに保存されるので、これらのファイル内容を変更
することでメッセージダイアローグのテキストや、フォント、他のカスタマイ
ズ可能なオプションを指定できます。たとえば、ローケルや言語設定が en-US
の場合, 編集する .property ファイルは xpfe/browser/resources/locale/
en-US/ ディレクトリ内の region.properties です。

 この設定ファイルは比較的簡単に編集できます。筆者が通常行っている方法は
"homepage" が含まれている箇所を検索し、その名前・値の値の部分を正しい値
に置き換えます。

# navigator.properties                                                                   
homePageDefault=http://yoururl.com                                                       
shopKeyword=keyword:shop [Product]                                                       
quoteKeyword=keyword:quote [Enter symbol here]                                           
localKeyword=keyword:zip [Your zip code]                                                 
keywordList=http://home.netscape.com/escapes/keywords                                    
webmailKeyword=http://webmail.netscape.com                                               
careerKeyword=keyword:[Your city] careers                                                
fallbackDefaultSearchURL=http://search.netscape.com/cgi-bin/search?charset=UTF-8&search= 
otherSearchURL=http://home.netscape.com/bookmark/6_0/tsearch.html                        
#                                                                                        
# all.js                                                                                 
#                                                                                        
browser.startup.homepage=http://yoururl.com                                              
browser.throbber.url=http://yoururl.com                                                  
browser.search.defaulturl=http://search.netscape.com/cgi-bin/search?search=              
                                                                                         
wallet.Server=http://www.mozilla.org/wallet/tables/                                      
wallet.Samples=http://www.mozilla.org/wallet/samples/                                    
                                                                                         
#config.js                                                                               
#                                                                                        
startup.homepage_override_url=http://yoururl.com                                         

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

6. ソースのコンパイル

 Mozilla のコンパイル実行時オプションを設定するには Mozilla のソースツ
リーのルートディレクトリからコマンド ./configure を実行します。コンパイ
ル実行時の全オプションをリストアップするには ./configure --help を入力
します。最終リリース用のコンパイルを実行する前に、環境プリファレンス(
メール有無、カレンダー、ldap など)がきちんと設定されているか、crypto
パッケージが使用可能になっているかなどを確認してください。

 設定の作業をシンプルにするため、筆者は通常、以下のような構築スクリプト
(build script)を使います。

#!/bin/sh                                                                   
                                                                            
MOZILLA_OFFICIAL=1                                                          
export MOZILLA_OFFICIAL                                                     
BUILD_OFFICIAL=1                                                            
export BUILD_OFFICIAL                                                       
                                                                            
./configure --with-x --disable-calendar --enable-crypto --with-system-nspr  
--disable-debug --enable-extensions --enable-optimize                       
--without-system-zlib --without-system-jpeg --without-system-png            
--without-system-mng                                                        

 パッチの適応、設定ファイルの編集、そしてオプションの設定が済んだら、ソ
ースツリーのルートディレクトリから ./gmake コマンドで Mozilla を構築し
、xpinstall/packager ディレクトリから gmake コマンドで tarball パッケー
ジを作成します。 tarball パッケージは、Mozilla ソースツリーのルートディ
レクトリの下に位置する dist サブディレクトリに置かれます。tarball パッ
ケージを /usr/local ディレクトリに移動、展開し、一度 Mozilla を構築した
ユーザとして /usr/local/mozilla/mozilla コマンドを実行します。これでほ
ぼ Mozilla Web ブラウザの設定は整いました。

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7. インストール後の設定

 Mozilla のインストール後にも変更できる設定がいくつかあります。たとえば
、 Java(java.sun.com ), PDF 表示 (www.adobe.com),
フラッシュアニメーション (www.macromedia.com/software/flash ) 、そして知名度は劣りますが、便利な
Enigmail (enigmail.mozdev.org ) のようなプ
ラグイン機能を加えることができます。

 プラグインをインストールするには2つの方法があます。インストールしたい
プラグインプログラム( 例えば Acrobat5 ) をMozilla の /plugins ディレク
トリにコピーするか、またインストールしたいプログラムから Mozilla のバイ
ナリーツリー下の plug-ins ディレクトリにシンボリックリンクを張ります。
たとえば、シンボリックリンクを使って Adobe Acrobat 5 を Mozilla に加え
たい場合、 ln -s /path/to/j2re1.4.0_02/plugin/i386/ns610/
libjavaplugin_oji.so /usr/local/mozilla/plugins/ を実行します。プラグイ
ン追加の際の注意点として、Mozilla と 1.4.1 より前の Java には互換性の問
題があることが知られています。したがって、1.4.1 以降の Java を使用する
ことをお勧めします。

 電子メールの暗号化・復号化ツール、Enigmailや、複数のプロトコル、プログ
ラミング言語を使用可能にする完全なパラメター化の整った Protozilla など
の Mozilla 用アドオン、拡張機能は mozdev.org  から入
手できます。

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8. 日本語版謝辞

  翻訳を行うに当たって、下記の方々から協力を頂きました。この場をかりて
お礼申し上げます。

 ・ 境真太郎さん
   
 ・ 濱崎健さん
   
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